個人の仕事をやめることが決まっても、廃業届をどこへ出すのか分からず、書類を前に手が止まる方は少なくありません。税務署だけで終わるのかも気になります。
地域情報メディア『こられ高岡』のエリア担当ライター、しゅうです。わたしは役所の手続きでは、まず提出先と期限を紙に書いてから動くようにしています。
今回は、高岡市で個人事業をやめる方に向けて、廃業届の提出先、期限、関連する書類、提出後に残る作業の順でお伝えします。
廃業届は事業終了を知らせる書類
一般に廃業届と呼ばれる書類は、税務署へ出す「個人事業の開業・廃業等届出書」です。個人で続けてきた事業をやめた事実と、その年月日などを税務署へ知らせます。
会社の解散手続きとは異なり、個人事業では登記を消す作業はありません。ただし、税金や従業員に関する届け出は別に残ります。廃業届一枚ですべてが終わるわけではない、という点が大事です。

最初に提出先を分けて書くと迷いにくいですよ
高岡市の提出先は高岡税務署
高岡市で事業をしている個人事業主は、原則として納税地を管轄する税務署へ提出します。高岡税務署は、高岡市のほか氷見市と射水市も管轄しています。
提出方法は、e-Tax、郵送、税務署への持参から選べます。わたしなら移動時間を取れるか考え、難しければ郵送か電子提出を先に検討します。窓口相談を希望するときは、事前予約の有無も確認したいところ。
- 主な提出先
-
納税地を管轄する税務署へ提出します。
提出期限は確定申告期限まで
個人事業の開業・廃業等届出書は、廃業した年分の所得税の確定申告期限までに提出します。以前の情報では一か月以内と書かれた記事もあるため、古い説明と混同しやすい部分です。
現在の期限は廃業年分の確定申告期限までと覚えておくと分かりやすいでしょう。ただ、ほかの届出書には短い期限があります。廃業日が決まった段階で確認するほうが、後から慌てずに済みます。
- 廃業した年月日を決める
- 確定申告期限を確認する
- 関連する届出書を分ける
廃業届に記入する主な内容
書類には、住所、氏名、個人番号、職業、屋号、事業所の所在地などを記入します。廃業の欄には、事業をやめた年月日と廃業した内容を書きます。
見落としやすいのが、事業所を借りていた場合の所在地です。自宅の住所と店舗や事務所の住所が違う方は、契約書や以前の申告書を手元に置くと書きやすくなります。
書面で提出する際、個人番号を記載する書類では本人確認が必要になる場合があります。郵送と窓口では扱いが異なることもあるため、提出方法を決めてから添付物を確認すると無理がありません。
青色申告の人は別の届出も必要
青色申告の承認を受けていた方は、「所得税の青色申告の取りやめ届出書」も確認します。提出期限は、青色申告を取りやめる年分の所得税の確定申告期限です。
廃業届だけを書いて安心し、青色申告の書類を後回しにしやすいところ。わたしなら税務署用の書類を一枚ずつ机に並べ、提出するものへ印を付けます。家で落ち着いて見直せる方法です。
青色申告を利用していたか確認します。
廃業届と取りやめ届を分けて準備します。
提出方法と提出日を手元に残します。
消費税やインボイスも確認する
消費税の課税事業者だった方は、「事業廃止届出書」を速やかに提出します。税務署へ出す個人事業の廃業届とは、名前も役割も異なる書類です。
インボイス発行事業者が事業そのものをやめる場合も、事業廃止届出書の確認が必要です。単に登録を取り消す場合の書類とは扱いが違うため、課税事業者とインボイスの登録状況を先に見ておきます。
簡易課税や課税事業者の選択をしていた方は、ほかの書類が関係する場合もあります。手元の通知や過去の消費税申告書を見ても分からなければ、税務署へ確認するのが安心です。
富山県への廃業届も忘れない
富山県では、個人事業税の課税事務のため「個人の行う事業の廃止届」の提出を案内しています。国の税務署へ出す書類とは別なので、二か所への届け出になる場合があります。
県の様式には、住所、氏名、個人番号、屋号、事業の種類、廃止年月日、廃止理由などを記入します。提出先に迷う場合は、富山県総合県税事務所へ確認すると話が早いでしょう。
高岡市役所へ廃業届を出せば国や県にも伝わる、と考えてしまうことがあります。税務署と県税の手続きは分けて考える必要があるため、提出先ごとのメモが役立ちます。
従業員がいる場合は手続きが増える
従業員へ給与を払っていた場合は、給与支払事務所等の廃止に関する届出が必要になることがあります。提出期限は、廃止の事実があった日から一か月以内です。
健康保険と厚生年金の適用事業所だった場合は、適用事業所全喪届を事実発生から五日以内に提出します。従業員の資格喪失や雇用保険などもあり、一人で営業していた場合とは作業量が違います。
| 確認する手続き | 主な対象 |
|---|---|
| 給与支払事務所の廃止 | 給与を支払っていた事業者 |
| 社会保険の全喪 | 適用事業所だった事業者 |
| 雇用保険の廃止 | 雇用保険に加入していた事業者 |
従業員の生活にも関わるため、ここは後回しにしにくい部分です。廃業日を決める前から、税務署、年金事務所、ハローワークへ必要書類を聞いておく価値があります。
廃業後も確定申告と保存は残る
年の途中で廃業しても、その年の一月一日から廃業日までの売上や経費は確定申告に含めます。廃業日に残った商品、設備の売却、未回収の売掛金なども確認が必要です。
帳簿、領収書、請求書、契約書は、廃業届を出した直後に処分できるものではありません。保存期間が残っている書類もあるため、年度ごとに箱やファイルを分けて保管すると探しやすくなります。
店舗を借りていた方は、電気や通信、賃貸借契約、決済端末、事業用口座などの解約も残ります。行政の書類だけでなく、毎月引き落とされている契約まで見るのが廃業後の作業です。
廃業手続きで迷っている方へ
廃業が決まった今日の段階では、まず紙を一枚用意し、「税務署」「富山県」「従業員関係」の三つを書くだけでも十分です。必要な窓口が見えれば、頭の中の負担も少し軽くなります。
わたしも複数の用事が重なると、全部を一度に片付けようとして手が止まります。先に提出先だけ分け、期限の短いものから見る順番のほうが、自分には合っていると感じています。
今夜は廃業日と従業員の有無だけをメモに残してみてください。明日、税務署や県税の窓口へ確認するときに話が早くなります。次にすることが一つ見える時間になったらうれしいです。













